2016年1月13日水曜日

Ai_+3D効果で広がる?パターンの可能性


3D効果によって、パターンに効果を適用することができます。



遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願い致します。
今回の記事は昨年ずっと温めてきた内容の一部です。
変なところや抜けてそうなところがあったら指摘お願いします。


経緯

以前から気になっていたことの一つに、
「パターンにはドロップシャドウが期待通りには適用されない」
ということがありました。



↑ストライプの塗りに対してドロップシャドウはべた塗り状態。

背面にパターンの塗りをもう一枚追加してぼかせばそれっぽくなるのでさほど問題はありませんが、なんだか気持ち悪い、ということで色々試して見つけた回避策と、それによって可能になったいろんなことをご紹介します。


今回解決したこと


通常では、パターンの柄そのものには効果メニューで影響を与えることができません。
これを今回の方法を使用することで、アピアランス属性やテキストを生かしたまま適用し、影響を与えることができます。




↑塗りにパターンを適用したオブジェクトにラフ効果を適用しても、オブジェクトの外殻には影響を与えられても、パターンの柄そのものをラフにすることはできません。


とても残念なこと

処理は重いです。
必ず開いているファイルを保存してからお試しください。

処理が重いので、この方法をわざわざ使う必要があるのかと思ったりもしているんですが、一つの方法として、公開します。

拡大縮小で見た目が変化することがあります。

[パターンも拡大縮小][線幅と効果も拡大縮小]にチェックを入れていたとしてもパターンの継ぎ目が影響したりして、拡大縮小すると見た目が変化することがあります。
効果によっては、予想外の動きをすることもあります。
シビアなお仕事には向いていません。
ここだー!というところで分割してしまうほうがいいかもしれないです。


印刷に適しているかはわかりません。保証できません。

必ずアピアランス分割・透明分割を行う、印刷屋さんに相談する、などで対応してください。



パターンに効果を適用させる方法

いよいよ方法です。
簡単です。

パターン ([3D効果] +[合流]+[任意の効果])

これでできます。
任意の効果を適用させるためには[3D効果]だけで大丈夫なんですが、[パスファインダ効果-合流]を適用することでパターンの継ぎ目が目立たなくなるので、必ずセットで使います。

細かい設定内容です。

パターンを適用した塗りに効果を加えていきます。



1.[効果]>[3D]>[押し出し・ベベル]を適用。




ダイアログが出るので、[位置]のドロップダウンメニューを[前面]に、その他の数値は全て[0]、[表面]は[陰影なし]に設定。




アピアランスパネル上には3D効果が表示されましたが、オブジェクトに表面上の変化はありません。




2.続いて、[効果]>[パスファインダー]>[合流]を適用。




ここも表面上の変化はほとんどありません。

3.任意の効果メニューを適用して完成。

今回は[ラフ]です。




ダイアログが出るので適当な数値を入れて適用します。
完成です。




使えそうな効果の一例

全て、テキスト及びアピアランス構造は生かしたままです。
作り方は全て上と同じです。




テキスト属性を活用する

テキスト属性を活用するとパターンにパターンを適用したりグラデーションを適用することもできます。
実務で使うにはちょっとなんとなく怖いですが実際どうなんでしょう。


応用編です。

パターンにはつなぎ目があるのでそこが乱れやすいのですが、あえてそこにひねりを入れると手書きっぽくなります。
上の例では単色のパターンばかりを載せましたが、下の例のように複数のカラーのものでも大丈夫です。
[落書き効果]は通常はパターンの柄に影響しないのですが、[3D効果]を使用することで色ごとに落書き線が分かれて刺繍のような効果を得ることができます。





なんで効果が適用できるのか?分解してみた。

3D効果と合流を適用した時点のオブジェクトを分割してみると、パターンがパスとして分割されていました。これは以前のエントリ、Ai_パターン部分を見たままにパス化する方法の仕上がりと同じ状態でした。

↓余分なパスが残っていない状態



色々試してみた結果、おそらくですが「パターンに3D効果をかけると、擬似的に[分割・拡張]>[透明分割]が適用されている状態」なのではないかと思います。

例えパターン上では線オブジェクトであっても、3D効果を適用すると全て塗りに分割されます。また、3D効果で[前面位置]以外では思ったような効果が得られませんでした。

面白いのでぜひ試してみて欲しいのですが、3D効果を適用した状態で[効果-自由変形]を適用してダイアログを覗いてみると、通常は現れないパターンがそこにパスとなって現れます。自由変形では通常パターンまで変形することはできませんが、この状態だとパターンも変形させることができます。

実は、[3D効果-前面]>[マッピング(あらかじめ登録したパターン柄のシンボルを配置する)]でもほとんど同じ効果を得ることができます。細かく比較していくと異なる動きをすることがあるので、全く同じもの、というわけではなさそうでした。

今回の方法は残念ながらパターンでしか動作を確認できていません。
通常の塗りには反応しないので、どうしても使いたいときは単色の塗りのパッチを作ってパターン化しないといけません。また、パターンの塗りが複数になると、仕上がりが悪くなる印象です。


終わりに

3Dを使うとどうしても動作が重くなってしまうのが残念です。
とはいえ、今までの効果メニューでは得られなかった効果が得られるのは面白くもあります。みなさんでこねこねしてもらえると嬉しいです。

ついでに、3Dを使わずにパターンも含めて変形させるのはエンベロープで可能です。パターンの変形はエンベロープオプションで設定します。
エンベロープ大好きなんですがあんまり使われていない印象なので書きました。
おすすめです。

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